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人生得するアンケート・データの読み方 ~数字はシンプルに見ると溺れない

1月25日(金)開催の第9回目は、
マーケティング・コンサルタントとしてご活躍中の株式会社シストラットコーポレーション森行生様 にご登壇いただきました。

Keywordアンケート・データ

新聞でもウェブでもアンケート調査はあふれかえっています。
特にウェブでアンケートが取りやすくなったので、「ちょっと聞いてみる」こ とができるようになりました。
でも、数字をどうやって読むのかが分かっていないと、
「【A新聞】18%しかない」
「【B新聞】18%もある」
どちらを信用して良いのか迷うだけです。

また、数字がたくさんあると「数字酔い」も起きます。
ワインならおいしくて健康的ですが、数字では二日酔いにもなりかねません。
ポリフェノールなんて入っていないので、悪酔いするだけ。

そこで、アンケート調査の読み方のコツを解説します。

セミナーレポート


2013年1月25日18時30分より、Webマーケティング・リレーセミナーの9回目が開催されました。
講師には、株式会社シストラットコーポレーションの森行生様をお迎えして、『人生得するアンケート・データの読み方 ~数字はシンプルに見ると溺れない』というテーマでのセミナーとなりました。

ウェブマーケティングにおいて、アンケートデータの分析は重要なテーマです。森氏は、大量なユーザ・データから、その動向を読み解くための方法論を解説しました。その模様を抜粋してご紹介します。

データは、20%で全部切ってしまえ、そして捨ててしまえ!

「今回のセミナーがつまらなかったら返金保証をいたします!」とセミナー冒頭で宣言した森氏が、人生を得するデータの読み方として上げたポイントは、データは、20%で全部きってしまえ、そして捨ててしまえ!ということ。そして、80%で次の行動を決めていこうというもの。

データを細かく見てしまえばしまうほど、自分の頭が混乱してしまうので、20%以下のデータは無視してまうというのがポイントです。企業イメージのアンケートやスマートフォンの利用動向調査など、実際の数値やさまざまな種類のグラフを見ながら20%以下は切ったほうがデータが読みやすいことを解説しました。

アンケートデータを答えるのは人間。データは血の通った人間が作っている

では、なぜ20%なのか?それは、血が通った人間が答えているから。森氏が強調するのは、数値の中には人間がいるということ。調査は「勘違い」「記憶の美化」「無意識の比較」が入ったデータであり、調査は消費者の「感覚」「記憶」をベースにしているということ。

1週間の食事をすべて記憶していたのか?と問われれば、正確にすべてを答えるのは困難であり、過去の記憶はあいまいなことが多い。さらに言えば未来はもっと当てにならないということを考えれば、集まったデータは正確ではないことをまずは意識すべきだと言います。

「例えば、テレビ広告をしていない商品の認知経路を聞くアンケートでは、「テレビ広告で」と答える割合が5%くらい存在することが多い。このことからも、10%以下のアンケート結果は正確ではないことが読み取れるというわけです」

「例えば、ダイエーの実験ではある商品の価格を変えると、20%増あるいは20%減で大きく売り上げが変化するそうです。明度と彩度の組み合わせで「20%までは同じ色と知覚する」ことが多く、実際に人間は20%単位でしか認知できないケースが数多く存在します。このことからも、20%理論の裏付けとなるわけです」

この後、選択肢の言葉の選び方で結果が変わる事例や国民性の問題、さらにはアンケートを適当に回答する?つきの存在率など、アンケート結果に存在するさまざまな誤差について解説しました。

イノベーターを見ることで消費者動向を予測できる

次のテーマは、ヒットの可能性を読み取るデータ分析の方法を解説しました。アンケート回答者をイノベーター、アーリーアダプター、フォロワーの3つに分類。イノベーターの動きに注目することで、5年後の消費者動向を読み取れる手法について。携帯用ゲーム機、日用品、タバコ、住宅のアンケート結果から、それぞれの分類による分析手法を紹介しました。

「導入期はイノベーターが、成長期はアーリーアダプターが安定期はフォロワーが商品を使うようになる。商品の購入意向を例にとって予測してみましょう。最初は、イノベーターが購入するL字型の形になります。次は、アーリーアダプターが多い山形。これは今が旬であることを示しています。さらに、フォロワーが増えると右肩上がりとなりますが、これは成長が止まることを意味しています」

ネット調査の誤差とデータクリーニング

セミナー講演最後のテーマはネット調査の誤差について。いい加減な回答者がデータの中に紛れ込む率が20%はあり、ポイント目当てなどのいい加減な回答者によっては評価が変わってしまうことがある。

このネットの特殊性について、いい加減な回答をするクラスタの存在。自由回答のパターンについて解説しました。

質疑応答、座談会へと熱心な質問が次々と

その後、質疑応答では「イノベーターの見分け方」や「売り上げをアップするという目標の中で、どのようなアンケートを設計するか?」、「20%で切ってしまうために必要な最低サンプル数は?」

などの質問が出てきて、森氏は丁寧に回答していただきました。

最後はサイバーエージェントの小川氏、SEM-LABO 阿部氏とお迎えしての座談会。安倍氏からはコンバージョン率などを扱う中で「データにも人間の血が通っている」という森先生の言葉に感銘を受けたとコメントがありました。小川氏からはテレビCM出稿から得た経験が、講演内容と合致するという意見も。

その他、森氏オリジナルの手作りテキストマイニングの方法などが紹介され、時間を押しての終了となりました。


開催概要

日時 2013/1/25 (金) 19:00-21:40
場所 コーチ・ホール (千代田区九段南2-1-30イタリア文化会館 3階)

講師紹介

講師

株式会社シストラットコーポレーション
森行生 様

1955年生まれ。米国デューク大学を卒業後、大手嗜好品メーカー、外資系 パッケージグッズメーカー、大手マーケティングコンサルティング会社などを 経て、1992年、ブランドおよび事業戦略に関するマーケティングコンサル テーションを行なうシストラットコーポレーションを設立。 「プロダクトコーン理論」などを提唱。 著書に「改訂シンプル・マーケティング」(ソフトバンククリエイティブ) 「ヒット商品を最初に買う人たち」(同社)「21世紀のモノ創り 70のヒント」 (毎日コミュニケーションズ)などがある。

対談のお相手 / 次回講師

アナグラム株式会社 代表取締役、SEM-LABO
阿部圭司 様

モデレーター

ウェブアナリスト
小川 卓 様