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オーディエンスデータはマーケティングの通貨たりえるか ~DSPとDMPがもたらすもの~

5月29日(水)開催の第2回目は、株式会社デジタルインテリジェンス代表取締役、業界人間ベム ブログの横山隆治様に『オーディエンスデータはマーケティングの通貨たりえるか』をテーマにご講演いただきました。

Keywordマーケティング

DMPの構築は、広告を含めたマーケティングに大きな構造変化をおこす可能性があります。DMP導入によって、プライベートDSP化が進み、バイイングサイド主導の広告配信がより促進されます。
「枠」のメディアプランニングからオーディエンスデータプランニングに変化に対応できるか、オーディエンスデータはマーケティングの通貨たりえるか・・・。

セミナーレポート


12回目のウェブマーケティング・リレーセミナーが2013年5月29日(水)19時に開催されました。今回の講師は、株式会社デジタルインテリジェンス代表取締役で、人気ブログの業界人間ベムを運営している横山隆治様。

株式会社旭通信社(現在は、アサツーディーケー)を経て、インターネット広告黎明期にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社の設立に関わり、代表取締役副社長に就任。現在は、株式会社デジタルインテリジェンス代表取締役を務めています。

アドネットワークを構築やネットのメディアプランニングシステムを構築するなど、ネット広告を創ってきた横山氏がテーマとしたのは『オーディエンスデータはマーケティングの通貨たりえるか』です。
広告配信の概念にパラダイムシフトが起きる中で、DMP(データ・マネージメント・プラットフォーム)が登場しています。

米国等ではすでに大きな流れとなってきるDMPの現状、ビッグデータと企業間で交換する「データエクスチェンジ」によって、オーディエンスデータが通貨のように流通することの可能性やその将来像など、興味の尽きない内容となりました。

既存メディアの凋落とトリプルメディアの勃興

地上波のテレビの個人視聴率を引き合いに出しながら、視聴率が落ちたと言われる現象について解説しました。
それによると、視聴率全体が落ちているのではなく、M1層・F1層と呼ばれる20歳~34歳までの男女の視聴率が落ちており、人口動態との関連があり、テレビ視聴率の高齢化が進んでいると指摘。

M1層・F1層に関しては、必ずしもテレビや新聞がコミュニケーション手段のメインではなくなってきている現状の中で、トリプルメディアを組み合せて企業マーケティング戦略を再設計する必要があると主張しています。

このトリプルメディアとは、

  • Paid Media
  • Owned Media
  • Earned Media

の3つのことで、これらのメディアの登場によって、マーケティングは送り手主導から、受けて主導のコミュニケーション構造へ変わって来てきているというパラダイムシフトについて、詳しく解説しました。

企業のマーケティングコミュニケーションの領域が拡大している

マーケティング戦略が変わることで、コミュニケーションの考え方の変化について解説。マスメディアを前提とした理論からユーザーのプル行動(文脈に沿った)『買う理由』を見つけてもらうコミュニケーションへと変化している現状の解説。
その具体的な事例を元に、コミュニケーション変化論について説明しました。

そこからブランドコンテンツの作り方へとテーマが移ります。
マーケティングコミュニケーション施策の領域が拡大し、企業のマーケティングコミュニケーションのために、ウェブサービスや新しいビジネス開発が行われていることを指摘しました。

DMPで、オーディエンスデータはマーケティングの通貨になる?

そして、セミナーの後半からはテーマであった、オーディエンスデータのエクスチェンジについて。
広告が広告枠を選ぶ作業から、誰に配信するかを選ぶ作業に変わってきている中で変化している広告配信システムの進化の歴史についてを詳しく解説。今後のベクトルとして、トリプルメディア構造がさらに変化し、

  • オウンドメディアが領域を拡大する
  • 自社メディアから自社ユーザーをより知り、最適化した広告配信データベース化する
  • ソーシャル展開でなく自社メディアへのソーシャルの取り込み

といった、マーケティングコミュニケーション開発の新プロセスについて詳しく紹介していただいました。

さらには、海外でのDMP事業者、エージェンシーについての動向を紹介し、そこからまだまだ未発達状態の日本のDMPの現状について解説しました。

日本においてもDMPが普及する中で、企業間のデータエクスチェンジが進み、「ある雑誌を読んでいる層は、この商品の購買率が高い」というような、オーディエンスデータを連係させたマーケティング手法が実際に生まれていることを解説。

かつて、視聴率がマーケティングの通貨だったように、オーディエンスデータがマーケティングの通貨となるのではないかと横川様は予測しています。

座談会は、モデレーターの小川卓様と広告やマーケティングの構造に変化が起きている中で、求められる人材やその人材育成の方法。
ソーシャルメディアにおけるデータエクスチェンジの可能性、そしてそのビジネスモデルなどをテーマに熱い議論が交わされました。

最後に横山氏から、DMPは導入するのに思ったほどのコストはかからないので、まずは試して欲しい、クッキーを一元化することからデータ分析をスタートさせてみようというメッセージをいただきました。

講演内容も座談会、その後の交流会も充実の内容だった今回のウェブマーケティングセミナー。次回もお楽しみに!


開催概要

日時 2013/5/29 (水) 19:00-21:40
場所 コーチ・ホール (千代田区九段南2-1-30イタリア文化会館 3階)

講師紹介

講師

株式会社デジタルインテリジェンス代表取締役、業界人間ベム ブログ
横山隆治 様

対談のお相手 / 次回講師

米Adobe, International Program Manager
清水誠 様

モデレーター

ウェブアナリスト
小川 卓 様